
広告を回す。
LPを改善する。
SNSでキャンペーンを打つ。
CRMでリピートを狙う。
──でも売れない。なぜだ?
多くのEC担当者が「売れない原因は売り方にある」と思いがちですが、実はそうじゃない。
“売る前の段階”にこそ勝負の8割が眠っている。
それが「仕入れ」です。
このコラムでは、仕入れこそがECの構造を決めていること、そしてそこを制する者が最終的にLTVを制するという話を、戦略・実務・現場目線の3つから深掘りします。
ECとは「選定力の事業」である
優れたバイヤーが一瞬で見抜くのは、こういう問いです。
これらの問いに明確に答えられる商品だけが「売るに足る商品」であり、
それ以外は、どれだけ売り方を工夫しても“膝をつく”運命にあります。
逆算で考えると、仕入れこそマーケティングの始点
売れる商品には、売る理由がいらない。
それどころか、「これ、どうやって売る?」と考えなければならない時点で、その仕入れはアウトです。
ありがちな思考
→ それ、本当に“売れない理由”の本質ですか?
CVRが悪いのは、もしかしたら「商品自体の訴求力が弱い」だけかもしれません。
広告が効かないのは、「市場での優位性がない」からかもしれません。
リピートが起きないのは、「生活への残存価値がゼロ」だからかもしれません。
正しい問いの立て方(ManyC流)
ここまでをクリアできる商品が「良い仕入れ」です。
視点 | チェック内容 |
---|---|
市場性 | そもそも市場が伸びているか?ニッチすぎないか? |
リピート性 | 購入後のリピート・継続性があるか?単発で終わらないか? |
差別性 | 他商品と比べた「明確な違い」があるか? |
利益率 | 広告費・人件費込みで利益が残るか? |
ストーリー性 | 顧客に「語れる理由」があるか?自分たちが愛せるか? |
マーケティングは「施策」ではなく「視点」です。
仕入れ時点でこの5つがそろっていれば、売上構造は自ずと作れる。
商品が弱いから売れないのではない
→ 「仕入れの意図が語れないから売れない」
仕入れの段階で、売る側が「何を届けたいか」「どういう生活が変わるか」が曖昧だと、
クリエイティブも、LPも、キャッチコピーも“薄く”なります。
当社のマーケティングでは、仕入れ時点で「誰が」「どこで」「なぜ使うか」まで想定した
“カスタマージャーニーに乗る商品”を選ぶべき。
仕入れとは、「言葉にできる商品を持て」
ビジネスにおいて「すべて言葉にしろ」という鉄則があります。
商品力とは、“言葉にしたときに説得力があるかどうか”。
「これ、売れると思ってたんですけど……」
「たしかに競合と似てましたね……」
という後悔は、「仕入れたあとに初めて分析をした証拠」です。
結論:“仕入れ”はマーケであり、マーケは“売る前から始まっている”。
売る場所が増えた。
広告媒体が多様化した。
顧客の購買行動が変わった。
だからこそ、ECで成果を出すには「入り口の質」が問われます。
その入り口こそが、仕入れです。
それがManyCが掲げる、「商品起点でマーケティングを再設計する」戦略思想です。