
「広告出せば売れる。止めれば売れない」
この感覚に心当たりがある方、意外と多いのではないでしょうか。
広告という即効性の高い施策は、ECの立ち上げ期には欠かせない武器です。しかしその一方で、“広告依存”はいつか成長の足かせになるタイミングが必ず訪れます。
ROASが落ち、CPAが上がり、CVRが鈍化し…いくら投資しても“純増”につながらないフェーズ。
そう、“広告の天井”です。
本稿では、広告偏重の構造リスクとそこから脱却するための「事業設計的マーケティング」の視点をお届けします。
まず大前提として、広告自体を否定する意図は一切ありません。
むしろ広告クリエイティブや配信設計には、成長のヒントが多く詰まっています。
ただし問題は、広告に「売上の全て」を預ける構造です。
たとえば、こんな状況に心当たりはありませんか?
この本質は、“広告以外の施策が育っていない”こと。
広告がブースターではなく、「生命維持装置」になってしまっているのです。
1. 顧客が“広告経由”でしか動かない構造
広告からの流入は「最短の興味」だけを連れてきます。
ここに指名検索・レビュー・SNSなどの並走動線がないと、広告が唯一の接点になります。
広告の役割は「試乗させること」。
そこからLTVや紹介へ回遊させる設計が欠かせません。
2. 顧客リストが「広告プラットフォームの外にない」
CRMやLINEなどの再接触手段がないと、“一発で終わる”だけ。
広告は“顧客そのもの”ではなく、“顧客リストを広げる手段”。
3. 商品力やブランドが、広告で“ごまかされている”
広告を上手く作れば、魅力が足りない商品も売れます。が、リピートされない・利益が残らない──それは広告では解決できません。
① 「集客」から「ファン設計」へ
⚠️ CVRが悪いのは広告ではなく、体験設計の貧弱さであることが多い。
② SEO・SNS・LINEなど指名導線の強化
ブランドが育つとは、「指名検索が増えること」です。
③ 商品力・オファー力の自問自答
広告は“種火”です。
でも事業を燃やし続けるには、風を送り、薪をくべ、煙突の設計が必要です。
広告だけで完結する時代は、もう終わりつつあります。
「広告はきっかけ」──その先の顧客関係構築こそが、成長の核心です。
私たちは、広告を止めても“売れる構造”をつくることにコミットします。
広告を打って終わりではなく、“残る広告”を。
もし今、「広告を止めたら不安」と感じるなら、
それはチャンスです。