
単品リピート通販。
サプリメント、美容液、健康食品、ダイエット関連など、
「最初は1商品」から始まり、継続的に購入してもらうことで利益が生まれるビジネスモデルです。
このモデルは一見シンプルに見えて、実は「初回購入のハードル」と「継続のストーリー」がすれ違いやすい非常に繊細な設計が求められます。
そしてその攻略の鍵が、
LTV(顧客生涯価値)とCPA(顧客獲得単価)の“意味ある関係”を理解して設計することにあります。
売上 = 単価 × 件数 × 継続回数
利益 = LTV − CPA
この構造上、「初回は赤字でもいい」「続けてもらえば黒字化する」という設計が基本。
でも、このモデルの最大の落とし穴は、
「どこまで赤字を許容していいのか?」が判断できないまま、CPAだけ見て止めてしまうこと。
本質的な勝ち方は、
“LTVをコントロールできる前提で、CPAを攻めにいける状態をつくる”ことです。
「LTVは1件あたり13,000円です」
この数字、ありがちですが、危険です。
LTVの平均値は、「顧客層のバラつき」を埋めるだけの数字であり、“判断の土台”にはなりません。
正しく見るには、以下の3層で分解が必要です:
層 | 内容 | 戦略的観点 |
---|---|---|
① 全体平均 | LTV全体の数値 | 広告の限界CPAを決める指標 |
② 獲得チャネル別 | LP/広告クリエイティブ別LTV | CPA許容額のチューニング指標 |
③ 顧客属性別 | 年齢・性別・悩み別LTV | 本当に狙うべきペルソナ判断軸 |
単品リピート通販の強い企業は、CPAが高くても止めません。なぜか?
「そのチャネルからのLTVが高い」と知っているからです。
たとえば:
「獲得効率 × 継続性」を複合的に見ているからこそ、
“赤字広告”を回す勇気が持てるのです。
「初回は赤字でもOK」という言葉を、都合よく使う企業は少なくありません。
でも重要なのは、
“赤字に耐える”のではなく、“赤字に意味を持たせる”こと。
LTV最大化とは、
数字の向上ではなく、継続したくなる理由の構造設計です。
人は、効くから続けるのではない。
「意味を感じられるから、続けたくなる」のです。
継続率を高めるのは:
「これを続けることで、私はこう在れる」という感覚があると、人は止められなくなります。
だから単品リピート通販は、
「月を追うごとに関係性が強くなる構造」を設計する必要があります。
成果が出ている企業は、LTVを「ただの指標」ではなく、“意思決定のマップ”として使っています。
セグメント | LTV | CPA許容額 | 攻め方 |
---|---|---|---|
20〜30代女性/Instagram | ¥16,000 | 〜¥8,000 | デザイン×悩み訴求で拡大可能 |
40代男性/Google | ¥10,000 | 〜¥5,000 | 攻めすぎるとリピート低下リスク |
30代女性/TikTok | ¥18,000 | 〜¥9,000 | LTV高だが離脱も早く、初月体験が鍵 |
このように、「どこで、誰に、何を届けたら、どれだけ返ってくるか」を視覚化しているから、CPAに“攻め”が出せます。
LTVとCPA。
この2つの数字だけを見て動く人は、広告屋で終わります。
本当に成果を出す人は、
「この人はなぜ、また買ってくれるのか?」を深掘ります。
それは、
という“小さな物語の積層”です。
私たちは、LTVやCPAを「数字として扱わず、関係性の結果」として設計しています。
単品リピート通販の本質は、
最初の1本を売ることではなく、“続けたくなる構造”をつくることです。