
広告を打っても思ったように売れない。
CPAは高止まり、CVRは低空飛行。
こんなご相談、EC支援をしていると本当によくあります。
でも、こういった課題の原因は、広告そのものではなく「売り場の設計」にあることが多いと私は感じています。
集客の前にやるべきこと。
それは、“売り場の健康診断”です。
言い換えれば、「お客さんが買いやすい状態になっているか?」のチェック。
広告=点の集客に対して、売り場=面の受け皿。この“面”が弱っていれば、いくら広告を打っても売上にはつながりません。
ここでは、実際の支援現場でもよく見る5つの視点をご紹介します。
まず見直すべきはファーストビュー。
「高機能」「おしゃれ」「安心」など、言いたいことを詰め込みすぎて、結局“何を誰に売っているのか”が伝わらないページ、意外と多いです。
ペルソナが誰で、何に困っていて、なぜこの商品なのか。
それが数秒で理解できる構成か、見直してみてください。
スペックや価格は書いてあるけれど、「だから何?」が抜け落ちているケースも多く見られます。
このあたりが語られていないと、比較サイトに流れて終わり、になりかねません。
これはUI/UXの基本ですが、実際にスマホで操作してみると「どこで買えばいいのかわからない」「カートが押しづらい」など、地味なストレスが多いです。
広告ではなく、導線の改善だけでCVRが上がることも、現場では珍しくありません。
ユーザーが気にするのは「他の人がどう思っているか?」。
レビューが古かったり、FAQがなかったりすると、買う判断ができません。
レビューやお客様の声は、売る側が思っている以上に“売れるコンテンツ”です。
地道ですが、レビュー依頼の仕組みを作って回すだけで、コンバージョンは変わってきます。
広告は、LTVを見込める商品・導線があってこそ攻められます。
一度売って終わりではなく、継続的に買ってもらえる仕組みがあるか?は、実は広告効率に直結します。
売れない理由を広告にだけ求めるのは、少し早計です。
売り場が“健康”であれば、広告は投資として回り始めます。
でも、売り場が“病んで”いると、広告はただのコストになってしまいます。
広告施策を本格化させる前に、まずは一度、自分たちの売り場を診てみてください。
“集客”の前に“受け皿”を整えることが、結局いちばんの近道だったりします。
これまでに、多くのECブランドやメーカーの支援をしてきました。
中には「広告やっても売れなかった」というブランドが、ページ設計と導線の整理だけでCVRが1.5倍に改善したケースもあります。
支援側として強く感じるのは、「売れる売り場の条件」はノウハウ以前に、“お客さんに向き合う姿勢”があるかどうか。
広告を打つ前に、売り場とちゃんと会話してみませんか?