ブログ

「努力の方程式」──その仕事は、なぜ頑張れるのか? 成功期待感 × 欲求 × 危機感で読み解く、“動き続ける人”の構造

「努力の方程式」──その仕事は、なぜ頑張れるのか? 成功期待感 × 欲求 × 価値観で読み解く、“動き続ける人”の構造

【はじめに】努力できる人と、できない人の違いは何か?

ビジネスの現場で、成果を出し続ける人がいます。
スキルが高いわけでも、特別な環境にいるわけでもない。
でも、淡々と積み上げ、前に進み続けていく。

一方で、能力はあるのに途中で止まる人。
モチベーションが上がらず、行動が続かない人もいます。

この違いを、「意識の差」や「気合」で説明するのは、もうやめましょう。

努力とは、精神論ではなく“構造”でできている。
そして、それには明確な数式があるのです。

努力の方程式

努力 = 欲求 × 成功期待感 × 危機感

人が自発的に動き続けるには、この3つが掛け算でそろっている状態が必要です。
1つでも欠けていると、努力は長続きしません。

それぞれを分解し、「実務に活かせる構造」として理解していきましょう。

1. 欲求:自分の“動きたい理由”を持てているか?

まず最初の変数は、「欲求」。
人は、“内側から動きたい理由”がなければ、継続できません。

  • 承認されたい
  • 成長したい
  • 楽しみたい
  • 誰かの役に立ちたい
  • 自由になりたい
  • 稼ぎたい

どれも正解です。
重要なのは、その欲求が“今の仕事構造”と噛み合っているか?

✔ 欲求が噛み合っていない例:

  • 構造を作りたい人が、接客だけを任されている
  • 自己表現したい人が、数字とルールで縛られている
  • 成長を重視する人が、チームの空気優先で評価されない

努力が続く人は、“自分ごと”として努力できている人。
つまり、努力の始まりは「欲求との一致感」にあります。

2. 成功期待感:やれば成果が出ると思えるか?

次の変数は、「成功期待感」。
これは一言でいえば“希望”です。

人は、報われると信じられない行動を続けることができません。

  • SNS投稿しても、ずっと無反応
  • 改善しても、数字が動かない
  • PDCAを回しても、成果が見えない

✔ 成功期待感を高める工夫:

  • 「小さな成果」が見えるKPI設計
  • 因果関係を言語で補強する(なぜこの行動が結果に繋がるか)
  • “兆し”を共有する文化をつくる

努力とは「意味がある」と信じられる行動。
つまり、報われる未来が想像できる構造が必要なのです。

3. 危機感:今やらなければ“まずい”という切迫感があるか?

最後の変数は、「危機感」。
これは、行動に火をつける“現実の重み”です。

  • 今やらなければ、チャンスを逃す
  • 今変わらなければ、取り残される
  • 今踏み出さなければ、同じ場所にとどまる

✔ 危機感がないとどうなるか?

  • 「いつかやろう」が習慣になる
  • 余裕があると正当化し、変化を先送り
  • ぬるま湯のような状態が続き、進化が止まる

危機感とは「今のままでは“まずい”と自覚すること」。
それは恐怖ではなく、行動を起こす燃料です。

実務での応用:マーケティング現場での「努力方程式」

例:CVR改善を担当するAさん

  • 欲求:成果を評価されたい
  • 成功期待感:データで改善が見える
  • 危機感:月次目標がある

→ 継続的に行動でき、努力が積み上がる

例:SNS運用を任されたBさん

  • 欲求:表現したい
  • 成功期待感:反応が薄く、自信がない
  • 危機感:数字未達でも放置

→ 努力が自然と減退する構造になっている

✔ 対策:

  • “兆し”を共有し、期待感をつくる
  • コメントなど感情的フィードバックをKPIに加える
  • チーム評価を“努力の見える化”へ最適化

EC・CRMにも応用できる「努力方程式」

この構造は、ユーザーの継続行動(=LTVの源泉)にも応用できます。

  • 欲求: この商品を使っている“自分でいたい”
  • 成功期待感: 続ければ変化が期待できる
  • 危機感: やめたら損・悪化しそう・戻れない気がする

この3つを商品設計・ストーリー・CRMに組み込むと、継続率が劇的に変わります。

まとめ:努力は、気合ではなく“設計”である

努力 = 欲求 × 成功期待感 × 危機感

どれかがゼロに近ければ、努力は成立しません。
逆に、すべてが揃えば“自然に動ける状態”がつくられます。

努力は才能ではなく、「構造」。
そしてその構造は、意図して設計できます。

ManyCの視点

私たちは、広告やCRMといった施策の裏にある、
「人が動き続けられる構造」まで含めて支援しています。

マーケティングとは、単なる手法ではなく、
「人が前に進む理由」をつくる設計行為です。

・顧客が動く構造
・チームが進化する構造
・自分自身が努力を続けられる構造

この「努力の方程式」は、すべての“人間の動力構造”を支える設計図でもあるのです。

関連記事

  1. ECコンサルティングで売上最大化|実行支援型の伴走支援 ECコンサルティングで売上最大化|実行支援型の伴走支援
  2. ビジネスを動かす5つの構造力 ――売上や成果の背後にある“目に見えない能力”を言語化する ビジネスを動かす5つの構造力 ――売上や成果の背後にある“目に見…
  3. 売るを超えて、選ばれるへ。──これからのECに必要なのは「構造」と「言語」である 売るを超えて、選ばれるへ。──これからのECに必要なのは「構造」…
PAGE TOP