
「UI(ユーザーインターフェース)」と聞くと、多くの人がこう答えます。
いずれも正解。だけど、足りません。
このコラムでは、UIを「ブランドとユーザーの無言の関係性」という視点から読み解き、
色や配置ではなく、“構造と心理”をどう設計するか?を掘り下げていきます。
UIは「使いやすさ」や「視覚的な整理」として語られがちですが、実はもっと根本的な役割があります。
それは、“このブランドに近づいてみようと思えるかどうか”を判断させる、最初のフィルターであるということ。
つまり、UIとは「ユーザーとの関係性の第一印象」なのです。
これらはすべて、“距離感のミス”です。ユーザーにとって、「近づきたくない存在」に見えてしまう。
逆に、UIがよく設計されていると、
「このサイト、なんか信用できる」という直感的信頼が生まれます。
UXとUIを混同しているとよくあるのが、「使いやすくすれば売れる」という思い込みです。
でも、真実はこうです:
ユーザーは、“使いやすい”より“わかりやすい”を求めている。
「わかりやすい」とは:
つまり、「予測できる構造」のこと。
UIの本質は、「行動の促進」ではなく、
「迷わない状況」の設計です。
ここが、ManyCとして最も伝えたいポイントです。
UIとは、見た目のことではなく、“見られ方のこと”です。
このブランドは、私のことをどう見ているのか?
私は、このブランドにとってどういう存在として扱われているのか?
ユーザーは無意識にこういった“関係性のメッセージ”を読み取っています。
だから、UIとは「誰に、どういう姿勢で接しているか?」を設計すること。
単なる配置や色ではなく、態度の可視化なのです。
ManyCで支援した、ある生活雑貨D2Cブランド。LPのUIをフルリニューアルしたことで、CVRが1.9倍に。
実際にやったのは、意外にもシンプル:
ユーザーは「読みやすい」「自然に選べた」と感じて購入していた。
見た目ではなく、“流れと納得の構造”を設計した結果、行動が変わったということです。
以下は、ManyCがUI改善を行う際に確認する5つのポイントです👇
チェック項目 | 視点 |
---|---|
1. ここは誰に向けて、どんな距離感で話している画面か? | UIは“態度”を持つ |
2. 次の行動が「予測できる構造」になっているか? | 押すことが安心か? |
3. 「このブランドらしさ」がUIに現れているか? | 無個性=無関心に見える |
4. 説明・補足・誘導が“押しすぎて”いないか? | 強引さは離脱要因 |
5. 初見ユーザーに「思考の余白」があるか? | 全部を言わないことが信頼につながる |
Chatbot、パーソナライズ、ナビゲーションの自動最適化――
UIはこれから、「操作されるもの」から「会話される存在」へと変わっていきます。
ユーザーは、もう“最短で買える”だけでは満足しません。
「このブランドと相性がいい」
「ここは分かってくれている」
「押してみたくなる雰囲気がある」
そんな“感覚的な好意”が生まれるUIこそが、次世代の勝者です。
UIとは、「どう見せるか」ではなく、「どう見られたいか」を先に決めるものです。
そしてその見られ方は、以下のような構造的に設計できる“無言の態度”に表れます。
私たちManyCは、UIを「画面の整理」ではなく、「関係性の初期設計」として捉えています。
売れるページとは、信頼されるページであり、
信頼されるページとは、“ちゃんと見てくれている”と感じられる空気を持つページです。
UIは、言葉を使わずに「私たちはあなたのことを考えている」と伝える表現技術。
それを構造と意図で支援するのが、私たちの役割です。